前二回に渡って、株式銘柄の選定法について、説明しました。
今回は、ソフトバンクグループ(9984)を例にとって、個別銘柄の分析方法について説明します。
四季報で基本情報を入手
まずは、四季報(2019年3集)で、基本的な情報を確認します。
ソフトバンクグループは、利益の会社予想を公表していませんが、東洋経済社の予想では、PERが5.1、PBRが1.53です。
有利子負債は、15.6兆円です。
現金同等物が、3.8兆円あります。
チャートを見ると、過去4年間の株価は右肩上がりになっています。
PERは低いが、PBRに割安感はなく、有利子負債も多く、すぐに投資できる感じではないようにも思います。
もっとも、ソフトバンクビジョンファンドの投資先が連日ニュースになっていたり、アリババ決済益で、2020年3月期の純利益が2兆円を超えるかもしれないと、明るい情報もあります。
そこで、さらに情報を探すことにします。
ソフトバンググループのホームページ
ソフトバンクグループのホームページによると、2019年8月15日時点の株主価値(純資産)は、10,281円/株であり、同日の株価4,952円と比較すると、PBRは0.5よりも低いことになります。
ソフトバンクグループは、投資会社なので、資産は、ほとんどすべてが現預金か投資先の株式となっています。
ソフトバンクグループが保有するアリババ株式の時価総額だけでも、すでにソフトバンクグループの時価総額を超えています。
時価10,000円以上の株式を保有しているソフトバンクグループの株式を5,000円程度購入できるのは、極めてお得だと言えます。
さらに、利益の観点から、ソフトバンクグループの株式がお買い得なのかを調べるために、ホームページで開示されている決算資料を確認してみます。
ソフトバンクグループの決算資料
ソフトバンクグループの2020年3月期(第1四半期)決算説明会資料をみると、営業利益が凄まじい勢いで伸びていることが分かります。
その営業利益の大半はソフトバンクビジョンファンドによって、稼ぎだされています。
アリババのデリバティブ決済益という一時的な利益があるためですが、この四半期での純利益が1兆円を超えています。
稼ぎ頭のソフトバンクビジョンファンド1は大成功中で、ソフトバンクビジョンファンド2に11.7兆円規模の出資が決まりました。
あくまで予測に過ぎませんが、今後の大きな利益成長の継続が期待できます。
有利子負債も、ソフトバンクグループが親会社保証していない子会社分を除くと7.4兆円しかなく、現預金の2.5兆円を差し引くと、純負債は5兆円しかないことになります。
ソフトバンクグループの株は買いなのか?
四季報だけを見るのと決算資料も併せて見るのでは、同じソフトバンクグループを検討するにしても、全く見える世界が異なることが、上記の説明からだけでもお分かり頂けたかと思います。
決算資料や説明会での説明を考慮すると、資産面からは、実質PBRは低く、利益面でのPERも低く、今後の継続的な成長が期待でき、有利子負債も資産に比べて大した割合いではなく、財務的にも安心です。
ソフトバンクビジョンファンドは、AIを使って圧倒的な生産性で事業を革新している上場前のユニコーン企業に投資しています。
ソフトバンクビジョンファンドの投資先によって、交通事故や交通渋滞のない世界、病気で死なない世界、食料不足のない世界、より人々が幸せな世界が到来しそうです。
世界をより良い場所にする点に関しては、政治や行政よりも、ソフトバンクビジョンファンドにはるかに期待しています。
また、投資家としての孫正義さんは、これまでにアリババ、ボーダーフォン、スプリント等に投資して、年利40%以上のリターンを上げてきました。
ソフトバンクグループを投資信託だと考えても、こんなに優秀なファンドマネージャーが格安の報酬で運用してくれていて、なおかつ大きなリターンも期待できるという点で優れています。
この勢いが続けば、ウォーレンバフェットのバークシャーハザウェイ(時価総額約50兆円)を超える日や時価総額世界トップ10に入る日もそれほど遠くないように思います。
残念ながら、株主優待は廃止されてありませんが、それを補ってあまりあるほど魅力的な投資先です。
宝くじ、公営ギャンブル、カジノ等にお金を使うよりも、ソフトバンクグループの株式を買う方がワクワクする人生になります。
上記はあくまで私個人の見解であり、分析も投資初心者向けでゆるく、株価は何らかの事情で下がるかもしれません。
*株式投資は自己責任でお願いします。
Best of Luck!