2019年7月11日の14時半にエイチ・アイ・エス(9603)が、ユニゾホールディングス(3258)に対する公開買付け(TOB)を開示しました。
その後、同日の17時に「 ユニゾホールディングス株式の公開買付け開始に関するご説明」を開示しました。
今回は、その説明資料を引用しつつ、若干のコメントをします。
最適なパートナー
確かに、エイチ・アイ・エスとユニゾホールディングスのそれぞれにメリットがあり、シナジーが期待できそうです。
ユニゾホールディングスの企業価値向上策
確かに、HISがその販売網を使って、ユニゾのホテルを売り込めば、ユニゾのホテルの稼働率は上がりそうです。
訪日観光客もHISであれば、ユニゾよりもうまく取り込める確率があります。
エイチ・アイ・エスは台湾等で既にホテル事業を展開しており、日本のホテル事業は飽和状態が近づいてきている感があるため、海外ホテル事業進出のノウハウをユニゾは得られそうです。
ホテル事業のシナジー
両社のホテルを合計すると数年後には、100軒近くになり、仕入れ等のスケールメリットを享受でき、相互送客や共同キャンペーンもできそうです。
エイチ・アイ・エスにとってのメリット
エイチ・アイ・エスは、ユニゾの不動産情報やノウハウを得て、ホテル事業をさらに伸ばしていく計画です。
TOBまでの経緯
エイチ・アイ・エスからみた交渉経緯が事実だとすれば、ユニゾは提携交渉に前向きには応じなかったようです。
仮にTOBが成立すると、エイチ・アイ・エスがユニゾの筆頭株主であり、大株主になるので、ユニゾの経営陣は心中穏やかではないはずです。
ユニゾは、毎年のように、増資を行い、浮動株を増やし、流動性が上がったため、エイチ・アイ・エスにとって、今回のTOBという選択肢が可能となりました。
公開買い付け価格
2019年7月9日の株価1990円に対して、3100円は十分なプレミアムが加算されているようにも見えます。
過去二年間の株価チャートでも妥当な株価のように感じます。
もっとも、2015年や2016年には株価が6000円を超えた時期もあったため、高値で購入した株主にはそれほど魅力的なTOB価格ではありません。
まとめ
今回のTOBが成功しても、エイチ・アイ・エスの持ち株は45%に留まるため、上場廃止になるわけではありません。
エイチ・アイ・エスとの協業によるシナジーや今後のユニゾの成長が楽しみです。
親子会社になるわけではありませんが、エイチ・アイ・エスの澤田秀雄氏の手腕や影響も楽しみです。
しばらくは、エイチ・アイ・エスとユニゾを応援しつつ、ユニゾの株は売らずに、見守りたいと思います。
株式投資は自己責任でお願いします。
Best of Luck!