かぶ1000さんが、「貯金40万円が株式投資で4億円」という本を出版されました。
早速購入して、読みましたので、まとめておきます。
かぶ1000さんはどんな人?
かぶ1000さんは、かなり前から、バリュー株投資で成功している有名な投資家です。
かぶ1000さんのブログ、ツイッター、ツイキャスがとても参考になります。
本書を買おうかどうか迷われている方は、まずはツイキャスを聞くと良いと思います。
かぶ1000さんの人柄と投資に対する考え方が伝わってくるので、ツイキャスもお勧めです。
「貯金40万円が株式投資で4億円」の基本概念
本書は、特に企業が保有する資産の観点から、企業価値よりも株価が安くなっているバリュー株を見つける方法を詳しく解説しています。
資産バリュー株投資は、現在の企業の資産の価値を把握し、その資産と比較して割安な株を買うので、株価が大幅に下がるリスクが比較的低く、再現性のある投資方法です。
株式投資が怖いと思っている投資初心者や大きなリスクはとりたくない投資家にはおすすめの投資方法です。
「貯金40万円が株式投資で4億円」で特に印象に残った点
投資家として、成功するためには、「自分の頭で考える」ことの重要性を説いています。(P102以降)
例えば、PBRを不動産等の含み益(含み資産)を考慮に入れて、実質的なPBRを算出されており、「自分の頭で考えた」結果を紹介しています。(P61)
また、ネットネット株(流動資産から負債を差し引いた「正味流動資産」に対して株価が割安な株)の算定式もバフェットの師匠のグレアムの公式をそのまま使わずに、「自分の頭で考えて」アレンジされています。(P111)
ツイキャスを聞いた時には、良くわかっていなかった、PERの逆数が「株式の益回り」であり(P162)、PBRの逆数が株式の割引率である(P61)という説明が今回本書を読んで良くわかりました。
株式投資で成功した人だけが発信しているという「生存者バイアス」(P58 )の話は妙に納得し、この点でも「自分の頭で考える」ことが大切だと再認識しました。
「貯金40万円が株式投資で4億円」とアメリカの著名投資家
シクリカル銘柄の特徴は、業績がピークとボトムになるタイミングより、半年から1年位先行して株価が動くことが多い(P76)という指摘は、過去の株価の動きと業績を比較すると一般論としてはその通りだと思います。
アメリカのモメンタム投資で有名なウィリアムオニールやマークミネルヴィニも同様のことを述べており、それ故に、ファンダメンタルではなく、テクニカル(チャート)分析も必要だと述べています。
そのような傾向は、成長株投資やモメンタム投資をする場合にもあてはまります。
バフェットが考えた「ルックスルー利益」を踏まえて、かぶ1000さんが考えた「ルックスルー資産」の解説があり、会社の実質純資産を自分の保有株式をかけて算出しています。(P197)
この概念も以前のツイキャスで説明されていて、一応理解はしていました。
もっとも、今回本書を読んで、会社の利益を生み出す力や純資産を買っているので、保有中は株価をそれほど意識する必要がなく、より割安の株価に乗り換えることがルックスルー利益やルックスルー資産を増やすことにつながるという説明が良く分かりました。
このような考え方は、米国の著名投資家のピーター・リンチが、「株式を保有するということは会社の一部を保有することに他ならない」ということと同じ考え方です。
終わりに
上記以外にも、四季報の読み方(P154)、有価証券報告書や決算短信の読み方、チャートの分析方法、ネットネット株の探し方(P116)、バリュートラップに陥らないためのカタリストの探し方(p126)、不動産の現地調査方法、IRへの質問方法、等具体的な銘柄を例に挙げつつ、解説されていて、どれも役立つ内容ばかりです。
本書を通じて、かぶ1000さんの株式投資に対する圧倒的な熱意、調査量、行動力、思考力が伝わってきます。
本書は、私も投資を始める前に読みたかった1冊です。
本書の内容は、かぶ1000さんのツイキャス、ブログ、ツイッター、インタビュー記事等ですべてカバーされている内容かもしれません。
仮にそうだとしても、その中でも最も重要な点を1冊の本に体系的にまとめてくださっており、時間を大幅に節約することができるので、とても割安だと思います。
かぶ1000さんのツイキャスやブログで学んだことの理解が深まりました。
株式投資で億の資産を築きたい初心者から投資歴が長い株式投資家まで、とてもお勧めの1冊です。
手っ取り早く億り人にはなれないとは思いますが、本書に書いてあることを実践すると億り人になれる確率が格段に上がります。
*株式投資は自己責任でお願いします。
Best of Luck