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おすすめ投資本:「投資で一番大切な20の教え」を解析する③

投稿日:2019年9月15日 更新日:

Book

今日は、「投資で一番大切な20の教え」(ハワード・マークス著、日本経済新聞社)の第3弾です。

原書(英語版)の特に素晴らしい点について、投資と英語の観点からコメントしていきます。

 

 第2章:Understanding Market Efficiency(市場の効率性)

 リスクとリターン

There will be no incremental return that is  not related to (and compensatory for) incremental risk.

リスクが増えると、投資利益が増えるという相関関係がある。

まねーちゃん
一般的に、リスクの増加に伴い、利回りも増加するのは、その通りですね。 
英語の観点から、no...not relatedと二重で否定しているので、強い肯定の意味になります。

かねくん

 

 効率的な市場

Although the more efficient markets often misvalue assets, it's not easy for any one person - working with the same information as everyone else and subject to the same psychological influences - to consistently hold views that are different from the consensus and closer to being correct.  That's what makes the mainstream markets awfully hard to beat - even if they aren't always right.

効率的な市場は、資産の価値評価を誤ることが多いが、皆と同じ情報を持ち、同じ心理的影響下で、個人が大多数の人と異なる見解を継続して持ち、正解に近づくことは難しい。そのため、主流市場が常には正しくないとしても、打ち勝つのは難しい。

まねーちゃん
多数派と同じことをしていたら、株式市場では勝てないということは、多くの人が言っており、その通りだと思います。勝てる少数派の投資家になるためには、前章のsecond level thinkingが必要だと思います。

本書は、全20章内の金言が、たくさんのところで、繋がってくるところが、とても良くできています。 

文頭にAlthoughを使ってしますが、これをWhilstに変えるだけで、英文の格式が上がり、美しさが増すので、おすすめです。Whilstは順接にも逆説にも使え、ちょうど日本語の「~が、」のような感じで、私の書く英文には、ほぼ毎日登場します。
かねくん

 

 非効率な市場

Describing a market as inefficient is a high-flown way of saying the market is prone to mistakes that can be taken advantage of.

非効率な市場とは、誇張して言うと、付け入る隙のあるミスを起こしがちな市場である。

まねーちゃん
株価と価値が、何らかのミスによって乖離している市場のことですね。本質的な価値よりも、株価が低い時は確かに買い時です。株価が暴落しているときは、多くの人は恐怖によって、誤って投げ売りしてしまうことがあり、そういう時は買い時になります。
文末に前置詞のofがありますが、前置詞で文章が終わると違和感があるので、これは真似しない方が良いと思います。言い換えるのであれば、mistakes that can be exploited 位でしょうか。

なお、日本の英語学習者の多くは、exploitを「搾取する」と覚えているためか、悪い意味で理解しています。

もっとも、exploitは、知的財産権のライセンスでも、「利用する」という意味で使われるため、この単語自体は価値中立として、認識する方がより正確です。

かねくん

 

 非効率な市場で投資する

 A market characterized by mistakes and mispricings can be beaten by people with rare insight.  Thus, the existence of inefficiencies gives rise to the possibility of outperformance and is a necessary condition for it.

ミスと不適正価格を特徴とする市場で、稀な洞察力を持つ投資家は勝つことができる。 それ故に、非効率の存在が、市場に勝つための必要条件であり、勝てる可能性が生じる。

まねーちゃん
確かに、市場が常に効率的であれば、株式で利益を出す余地がなくなるので、納得の文章です。
接続詞のThusを使っていて、これ自体は問題ないのですが、私の最もおすすめの順接の接続詞は、Accordinglyです。

これは、日本語の「そして」という緩く繋ぎたい場合は、「それ故」という因果関係を表す時にも使えて、先のWhilstとAccordinglyの二つの接続詞を使っているだけで、英文レベルがかなり上がります。

かねくん

 

 非効率な市場を選ぶ

The key turning point in my investment management career came when I concluded that because the notion of market efficiency has relevance, I should limit my efforts to relatively inefficient markets where hard work and skill would pay off best.

私のファンドマネージャーとしての岐路が訪れたのは、「効率的な市場」は存在するため、多大な努力と能力が最大に生かせる比較的「非効率な市場」に注力すべきとの結論に至った時だった。

まねーちゃん
バリュー投資の真髄ですが、本質的な価値よりも価格が低いものが存在する市場に注力し、投資するということを述べています。
Whereの前の節も、後の節も文章が完結しているため、関係副詞として使われています。関係副詞がある程度、使えるようなると英語らしい英文になるので、参考になります。
かねくん

 

第2章も長くなってしまいました。

次回、第3章以降を読んでいきたいと思います。

 

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