2019年7月12日に、MTG(7806)は第三者委員会の調査報告書、決算短信、業績予想修正等開示しました。
以下では、その概要をみていきます。
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MTG
MTG(7806)は、1996年に創業され、2018年7月にマザースに上場した会社です。
美顔ローラー(リファ)やEMS(シックスパッド)で有名です。
売り上げのほとんどが日本、韓国、中国ですが、日本や韓国での販売は中国の方の買い付けによるものが大半で、事実上中国の買い物客に売り上げを依存しています。
第三者委員会の調査報告書
最近は上場会社の不祥事が生じた場合に、第三者委員会を設置して、調査を委託して、報告書を開示することが多くなりました。
第三者委員会の調査報告書は、テレビよりも面白いので、ユニバーサルエンターテインメント、レオパレス21、大和ハウス工業等、私はよく読みます。
今回のMTGの第三者委員会の調査報告書はこちらで読めます。
MTGは中国子会社等から現地販売会社で売った「リファ」等の売り上げの時期を現地販売会社に販売した時点としていましたが、後にMTGが商品を買い戻す合意をしていたこと等のため、現地販売会社が製品を販売した時点に売り上げを計上すべきと指摘されました。
出典:MTGの「第三者委員会の調査報告書公表及び今後の対応に関するお知らせ」
売り上げを確保するために、松下社長が個人の資金を利用して、香港の会社への迂回融資未遂事件についても断罪されています。
上場企業になったので、未上場の時よりも、高度なコンプライアンス意識が要請されることはやむを得ないと思います。
不正の責任をとって、担当常務取締役が退任され、松下社長は1年間報酬を返上されることになりました。
MTGの業績予想
出典:MTGの「通期業績予想の修正に関するお知らせ」
第三者員会の調査結果に基づく売り上げの訂正が53億円、会計処理の見直し10億円、取引先解約のリスク10億円に加えて、販売減速のリスクが42億円で、合計115億円の売り上げ減少に下方修正しました。
また、純利益も91億円の下方修正となりました。
かなり厳しい業績予想へと超絶下方修正となりました。
MTGの株主優待
配当は無配になりますが、株主優待は継続すると開示されました。
株主優待は、9月末の株主に自社製品が贈られます。
100株以上 5,000円相当
500株以上 25,000円~30,000円相当
優待利回りは約4%です。
MTGは買いなのか?
出典:Yahooファイナンス」
2019年7月12日時点のMTGの株価は1183円で、300億円の現金同等物があり、有利子負債は15億円程度で、PBRが0.79と割安のようにも思われます。
もっとも、これほどの下方修正で、大幅赤字になったので、優待が欲しくても、買えません。
今後の株価の値動きや業績の推移を、しばらくは注視しつつ、様子をみます。
株式投資は自己責任でお願いします。
Best of Luck!