「フリーパパ」さんと「DUKE。」さんの共著「新高値ブレイク成長株投資法」(パンローリング社)のレビューです。
この本は、一言で言うと、「オニールの成長株発掘法」 の投資手法を日本株投資にあてはめた解説本です。
アメリカのアマゾン(amazon.com)の投資本のカテゴリーでは、「オニールの成長株発掘法」の原書が何十年も売れ続けています。
「オニールの成長株発掘法」は、これまでに何度も、読み返し、参考にしています。
ただ、なかなか日本株に応用するのが難しいと思っていました。
「新高値ブレイクの成長株投資法」は、オニールの投資法を日本株にどうやってあてはめるのかを解説してくれていて、とても参考になりました。
第1部は「DUKE。」さんが、第2部は「ふりーパパ」さんが担当されています。
第1部(第1章) 過去の事例から10倍株の投資戦略を考える
2012年11月~2017年末までの10倍株がリストアップされており、これだけでも参考になります。
この期間は、アベノミクスの上昇相場のため、今の相場環境とは異なり、現在では、その後大きく下げた銘柄もたくさんあります。
もっとも、上昇相場の成長株の発掘法が学べ、「成長株のモメンタムがなくなったら、すぐに売らないといけない」というリスク管理についても学べるので、今でも十分に参考になります。
10倍株の多くは、時価総額が200億円未満の小型株で、情報通信業、サービス業、小売業でした。
第1部(第2章) テーマ別に見るアベノミクス相場のテンバガー銘柄
テーマとして、下記を取り上げて、個別株を含めて解説されています。
- 新商品
- 新技術
- ブロックチェーン・仮想通貨
- サイバーセキュリティ
- 秋元銘柄
- ゲーム
- 人手不足関連
- M&A・事業承継
確かに、ゲーム関連では、「パズル&ドラゴンズ」のガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)、「ドラゴンクエストウォーク」のコロプラ(3668)、モンスターストライクのミクシィ(2121)等が大相場を作ったのは記憶に残っています。
また、M&A関連では、RIZAP(2928)が大相場を作り、RIZAPグループにはいくらか投資していたので、よく覚えています。
全く同じ業界や銘柄が大きく上昇することはないと思いますが、過去の例を学ぶことは、今後このように大きく上昇する業界や銘柄を探す参考になります。
第2部 成長株発掘法
第1章で成長株投資について、解説がされており、オニールのCANSLIMの公式についても説明されています。
第2章で「投資環境の変動と見極め方」について説明されています。個人的にはこの章は読み飛ばして、良いと思います。
第3章では、「成長株投資の銘柄選択法」として、新高値銘柄のうち、チャートを確認し、ファンダメンタルを確認し、目標株化を検討するというステップが説明されていて、この章はとても参考になります。
特に売り時にも関連する「目標株価」の算定式を提示しているところが良いと思います。
目標株価=来季予想経常利益×経常利益倍率(20倍)÷発行済株数
第4章で、成長株のボックス売買法について、説明されています。
ボックス売買法は、ニコラス・ダーバスの「私は株で200万ドル儲けた」を踏襲しています。
成長株投資で、下記の点に特に留意しないといけないのは、全くその通りだと思います。
ブームとなった商品のライフサイクルのピークを迎える半年から1年程度前に、株価がピークを打つことが多い
第5章で、「個人投資家が投資家として知るべきこと」として、投資家の心構えについて説明されています。
特に心に残ったのは、下記の一文でした。まさにその通りだと思います。
根拠のない自信を持ち、学びと実践で根拠を積み上げていく
終わりに
「オニールの成長株発掘法」を読んで、日本株投資で実践したい方にはお勧めの1冊です。
株式投資は自己責任でお願いします。
Best of Luck!