2019年7月18日に、ソフトバンクワールド(SoftBank World)2019が開催されました。
Grab(東南アジアの配車プラットフォーマー)、OYO(インドの世界二番目のホテルチェーン)、Paytm(インドの電子決済及び電子商取引企業)、Plenty(アメリカの屋内農業企業)の4社が、その事業を講演しました。
今日はその中から、Paytm(ペイティーエム)について紹介します。
Paytm(ペイティーエム)の概要
出典:2019年7月18日ソフトバンクワールド基調講演
SVF(出資時点ではソフトバンク)は、Paytm(ペイティーエム)に2017年5月に約1,500億円を出資しました。
Paytmには、アリババやウォーレンバフェットのバークシャー・ハザウェイも出資しています。
Paytmは、2010年に創業されたインドの電子決済(QRコード決済)及び電子商取引企業です。
社名は、「Pay Through Mobile(モバイルを通じて支払う)」の略語が由来です。
100億円キャンペンーンで、話題となった日本のPayPayも、Paytmの技術を利用しています。
Paytmは、2016年11月に、モディ首相が500ルピーと1,000ルピー紙幣を急に廃止(翌日から使用不可)したことによって、利用が爆発的に増加したと言われています。
私も2016年11月には、数万円相当の高額紙幣ルピーを所有していたため、投げ売りして、大きな損失を出すことになりました。
Paytm(ペイティーエム)のリアルタイムローン
出典:2019年7月18日ソフトバンクワールド基調講演
膨大なデータをAIが解析して、リアルタイムでクレジット決済(後払い)を可能にしています。
この技術があれば、一人一人の信用度に応じて、きめ細かく、ローンを供与することができます。
信用度の高い人は、より有利な条件で、借入ができるようになります。
また、事前にクレジットカードの申し込みのように、書類を提出したうえで、時間をかけて、与信審査を受ける必要がなくなる点でも、革新的です。
Paytm(ペイティーエム)の保険
出典:出典:2019年7月18日ソフトバンクワールド基調講演
Paytmは、低コストの保険も提供しています。
人間が、膨大なデータを分析して、一人一人に合う保険をつくって、販売することは困難です。
しかし、AIを使えば、膨大なデータを使って、個人個人に合わせた、低コストの保険がつくれます。
Paytm(ペイティーエム)の未来
出典:2019年7月18日ソフトバンクワールド基調講演
Paytmは、これから3か月で、インドで最大のconsumer credit issuer(消費者向けの貸付者)になる見込みです。
また、Paytmは、昨年銀行業の免許を取得し、既に4千5百万人が利用する銀行になり、あと一年でインド最大の銀行になる見込みです。
アリババグループと同じように、Paytmは、QRコード決済から入り、銀行業、保険業、電子取引等へと事業を拡大し、プラットフォーマーになりつつあります。
Paytmのおかげで、日本で利用できるようになったPayPayは、とても便利です。
私もPayPayを愛用しています。
キャッシュレス社会は、すぐそばまで来ています。
Paytmの技術による、今後のフィンテック(金融サービスと情報技術を結びつけた、さまざまな革新的な動き)サービスがとても楽しみです。
*株式投資は自己責任でお願いします。